初めての富士登山の前に登るべき山② (富士山一合目から五合目)

前回のブログでは富士登山を成功させるためのストラテジー(作戦)を中心に解説しました。その上で、オススメの山として以下の4つの山・ルートをお勧めしました。
①高尾山(稲荷山コース)
②筑波山
③高尾山~陣馬山~藤野駅縦走
④大倉~塔ノ沢

今回はその総仕上げとして、⑤富士山 吉田口登山道 一合目から五合目までのルートをご紹介します。

富士スバルライン五合目からの富士山頂

富士山 吉田口登山道 ルート概況

・出発地:中の茶屋
・到着地:富士スバルライン五合目
・標準コースタイム(CT):5時間
・距離:9.1km
・最低標高:1,100m
・最高標高:2,305m
・標高差:1,205m(累積標高差とほぼ同じ)
*今回のルートは片道ルートとなります。最高点の富士スバルライン五合目からは路線バス等で下山します

出典:ヤマプラ

ルート特徴

a)標高差が大きい
b)最初はなだらかな道が続き、徐々に斜度が高まり、後半は急登が続く
c)途中に小屋や売店、水場は無く、スタートからゴールまでの間は無補給となる
d)土道から始まり、火山礫の砂利道、火山岩の岩場とバリエーション豊かな路面。整備された階段状の登山道も多い
e)鎖場やはしご等、技術を要する箇所はない
f)終始樹林帯の中を歩くため、直射日光や強風の影響を受けにくい
g)アクセスが良いわけではなく、知名度も低いため、他の登山ルートに比べればとてもすいている

尚、富士登山の本番、富士山五合目から頂上までのコースタイム関東圏からは人気の高い富士スバルライン五合目から富士山頂上(剣ヶ峰)+お鉢めぐりルートの概況は以下となります

今回の
トレーニング
(片道)
富士登山本番
お鉢めぐり付き
(往復)
比較
標準CT5:0010:4746%
距離9.1km15.5km59%
標高差1,200m1,471m82%
最高点の
酸素濃度
75%
(五合目)
63%
(山頂)
119%

標高差は大きいものの、片道だけで下山ができるのが特徴。標高差1,000mを超える登山がどれほどつらいものなのかを実感するには良いかと思います。特に食料・飲料を持参すべきか?それとも途中の山小屋で購入すべきか?初めての富士登山を目指す方にはピンとこないと思いますが、このトレーニングで1日分の食料・飲料を持参したザックを背負って歩いてみるのは有益と思います。
当然酸素濃度は本番よりも高いので、高山病のことは気にせずあるくことができます。

練習ポイント

◆本番前に富士山の麓を歩いておく
◆高度差の大きいルートで自分の体力度をチェック


◆本番前に富士山の麓を歩いておく
・富士山に行ったことがない人にとって、富士山の大きさや他の山との違い、本番時のスタート地点となる五合目の雰囲気を知っておくことはいろいろな意味でプラスになります。アウェイの地に赴くよりは、ホームの山に行く。心理的負担を減らすことができると思います。

◆高度差の大きいルートで自分の体力度をチェック
・夏の富士登山を目指し、春先からトレーニングを開始された方も多くいらっしゃると思います。6月にも入ると気温も上がり、春先の涼しい気候も過ぎ去り、汗をかきながらのつらい登山シーズンが始まります。
・今回のツアーでも足を攣ったり、違和感を感じる方も発生。「他の山ではこんなことはなかったのに」と嘆かれていました。標準コースタイムに比べどれ程の早さが自分にとって心地よいのか?これ以上のペースでは身体に不調をきたすのか?高度差の大きなルートで事前リハーサルしておくのが良いでしょう。


ルートイメージ

登山日:2016年6月6日
登山開始:9:15(中の茶屋)
登山終了:15:30(富士スバルライン五合目)
人数:29名+スタッフ3名
交通:貸切バス
天気:晴れ(この日は平年よりも気温が高く、平野部では真夏着を記録)


整備の行き届いた安全な登山道


中の茶屋から馬返しまでの間。車道と並行するなだらかな樹林帯の中の土道を歩く
馬返し手前のレンゲツツジ群生地ではちょうど見頃を迎えていた
馬返しにて早めの昼食。木陰に隠れる広場があり、トイレも3台あり
樹林帯コースの為眺望はあまり期待できないが、時々富士吉田の街並みや富士山のたおやかな稜線を望むことができた
ゴール目前の佐藤小屋。この日は営業期間外であった

富士スバルライン五合目に到着。
それまでほぼ人に会わなかった山行からいきなり大都会に戻った気分

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